大規模修繕工事とは、足場を組んで建物全体のすべてを修繕することをいいます。大事な資産であるビル・マンションは劣化するとその分資産価値は下がってしまいます。安全性や美観を維持し、資産価値を下げないためにも、建物の一部ではなく全体の大規模な修繕は必要不可欠なのです。
また、早期の修繕によって建物の寿命を延ばすだけでなく、将来的な改修コストを抑えることも可能です。建物の劣化状況を正確に把握し、適切な時期に大規模修繕工事を行うようにしましょう。
外壁のひび割れ
乾燥・収縮や温度変化によって外壁が歪み、ひび割れを起こします。築8年ぐらい経つとひび割れの兆候が現れ始め、ひび割れ幅が0.2mmを超えると漏水量が増大していきます。
コンクリート・モルタルの劣化
コンクリートの乾燥・収縮、金属部位の腐食などでひび割れ・浮き・剥がれが生じます。また、モルタルが浮き始めると事故の危険性が高まります。
鉄筋の露出
コンクリートに含まれる塩化物や雨水の浸入などにより、鉄筋が腐食し露出してきます。
塗装の劣化
変色や剥がれ、ホコリ・カビなどの影響で塗装の劣化が生じます。また、塗膜の表面が粉状になる「白亜化」という現象も起きます。
タイル張りの劣化
タイルそのものは丈夫な素材ですが、ひび割れ・白華現象(白色物質が外壁に固化する)などが起きることがあります。
金属部の劣化
塗膜表面や塗膜内部にサビや腐食が進むことで、階段が抜け落ちたり手すりが外れてしまったりします。
建具の劣化
現在の建具はサビや腐食に強いアルミ製やステンレス製ですが、これらもやはりホコリや排気ガスなどに長時間さらされると劣化してくるものです。特に海岸付近・工業地帯などでは頻回にメンテナンスする必要があります。
大規模修繕の必要性
鉄筋コンクリートで造られたビルやマンションは、多くの方が「強固で安全」というイメージを持たれていることと思います。しかし、経年による劣化は確実に進んでいるものであり、その劣化を確実に止める方法はありません。木造建築と比べると、気密性や耐震性の面では優れていますが、ビル・マンションもいつか必ず劣化する・耐久性は永久的なものではないことを理解し、定期的に大規模修繕工事を行いましょう。
こまめな対応が肝心です
ビルやマンションのオーナー様の立場からすると、建物の修繕は劣化してから行えばいいとお考えになる方は多いのではないでしょうか。しかし、劣化が進んでから補修するのと定期的に補修するのでは、後者の方が実は費用がかからないのです。
また、大規模修繕工事は建物の安全性や美観を保つだけでなく、オーナー様の財産を守るためにも必要不可欠なものです。建物を常に良い状態で維持させるためには、定期的なメンテナンスを欠かさないようにしましょう。
例1 IDマンション
例2 KSマンション
例3 KKマンション
例4 Hマンション
例5 LMM
※施工後バルコニー手摺も新設しました。